株式会社マキノ

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排水処理の内製化で見落とされる3つの運営課題

産廃処理費が毎年上がっている。
外注している排水処理を自社でやってしまおうと考えている工場は、少なくありません。
コスト削減の判断として、排水処理の内製化は正しい方向性です。

ただ、設備を入れてみたが思うように処理が回らない。
産廃費が期待した分だけ下がらない。
そういった声が、内製化を進めた工場から届くこともあります。

判断は正しくても、準備の中身が問題になるケースです。
設備の選定にばかり目が向きがちですが、内製化には運営面で3つの課題が見落とされやすくなっています。

「外注から内製へ」という判断が正しくても、準備が足りないと何が起きるか

排水処理を内製化するメリットは明確です。
外注費と産廃処理費が削減でき、処理のスケジュールを自社でコントロールできるようになります。
産廃処理費の目安は約2万円/tで、脱水後の固形分(脱水ケーキ)の重量を減らすことが直接的なコスト削減につながります。

ただし、外注していたころは業者が担っていた作業が、全て自社の責任になります。
脱水ケーキの排出・保管・処理の管理、設備の日常点検と異常対応、液体に微細な固体が混じったドロドロの液体(スラリー)の性状変化への対処。
これらは、外注していたときは意識しなくてもよかった運営上の作業です。

設備を導入するだけでは、こうした仕組みは自然にはできあがりません。
準備が不十分なまま動かし始めると、設備はあるのに処理が安定しない状態が続くことがあります。

見落とされがちな3つの運営課題

内製化を進める際、設備の性能や費用の試算は丁寧に検討されることが多いです。
一方で、運営面の準備が後手に回ることが多く、次の3つが特に見落とされやすい課題です。

課題1 スラッジ管理(脱水ケーキの排出・保管・処理)

フィルタープレスを動かすと、ろ過が終わるたびに固形分(脱水ケーキ)が出ます。
このケーキをどこに保管し、どのタイミングで産廃として排出するかという仕組みが必要です。
排出量・保管量・処理の頻度を見通しておかないと、ケーキが現場にたまり続けるか、少量ずつの排出で処理費が割高になります。

スラッジ管理と脱水性能は切り離せません。
分離後の固形分に残る水分の割合(含水率)が目標より高い場合は重量が減らず、産廃処理費の削減効果が薄れます。
含水率5%の改善で年間数百万円の削減につながることがあり、スラッジの重量管理は内製化の費用対効果に直結します。
ケーキの排出・保管・処理の流れは、設備の導入前に設計しておくことが大切です。

課題2 人材育成(操作・日常点検・異常対応)

フィルタープレスは、装置を動かすだけでなく、状態を正しく読む技術が必要です。
ろ過時間の変化、含水率のずれ、圧力の安定度。
これらを日常的に確認し、異常の兆候に気づいて対応できる人材が、社内で必要になります。

外注していたころは、こうした判断を業者が行っていました。
内製化後は、その判断が自社の担当者に移ります。
操作手順だけでなく、「この状態は正常か」「何を見て判断するか」という観点の教育が、安定した運転には欠かせません。

マキノでは、設備の導入時に操作・点検・異常対応についての説明を行っています。
日常点検のポイントと問い合わせ対応の体制が整っているかどうかは、メーカーを選ぶ際の判断基準の1つです。
導入後も継続して相談できる体制があると、担当者の育成が円滑に進みます。

課題3 設備設計(スラリーに合った機種選定と一品一様設計)

設備設計を誤ると、目標の含水率が出ません。
含水率が目標に届かなければ脱水ケーキの重量が減らず、産廃処理費の削減効果も出ません。
内製化の最大のメリットが、設備設計の段階で消えてしまいます。

スラリーは工場ごとに性状が異なります。
粒径・粘度・固体濃度・pH・温度が違えば、適切な機種・圧力・サイクル時間も変わります。
液体だけを通して固体を堰き止める特殊なフィルター(ろ布)の材質も、スラリーの性状に合わせて選ぶ必要があります。
汎用の設備をそのまま当てはめても、目標を達成できないことがあります。

マキノの設計思想は「一品一様」です。
スラリーの性状を確認したうえで、圧力・ろ布の材質・サイクル時間を個別に設計します。
テクニカルセンターでスラリーのテストを行ってから設計に入ることで、導入後に含水率が目標に届かないリスクを下げられます。

フィルタープレスが内製化の要になる理由

排水処理の内製化において、脱水設備の性能が産廃処理費の削減量を直接決めます。
フィルタープレスは、遠心分離機(含水率70〜85%程度)やベルトプレス(85%以上)と比べて脱水性能が高く、含水率50〜70%を実現できます。
脱水後のケーキが軽くなるほど、排出コストが下がります。

含水率が5%下がれば、処理費(約2万円/t想定)で年間数百万円規模の削減につながります。
投資回収期間は、削減額の大きさに応じて1〜3年が目安です。
耐用年数は適切なメンテナンスを続けることで20〜30年にわたり、長期間の投資回収計画が立てやすい設備です。

1.5MPa(大気圧の約15倍に相当する圧力)の高圧圧搾が可能な機種では、難脱水性のスラリーでも含水率を下げられます。
圧力をどこまでかけるかは、スラリーの性状とケーキ層の形成状況によって設計します。
ただし最大圧力が常に正解ではなく、スラリーに合った圧力設定が重要です。

フィルタープレスの選び方と設計の考え方については、外注費を50%削減!排水処理の内製化を成功させるフィルタプレスの役割でも紹介しています。
内製化を具体的に検討している場合は、あわせて参考にしてください。

内製化は設備の選定より設計の精度で決まる

排水処理の内製化は、産廃コストと外注費の両方を削減できる有効な手段です。
ただし、設備を導入すればすぐに削減効果が出るわけではありません。
スラッジ管理・人材育成・設備設計の3つを整えることが、削減効果を安定させる前提になります。

特に設備設計の段階でスラリー性状を確認しておくことは、内製化の成否に直結します。
目標含水率が達成できなければケーキの重量は減らず、投資回収の計算が狂います。
テクニカルセンターでのスラリーテストから始めることで、設計の精度を上げられます。

マキノは1932年の創業以来、民間製造業向けに6,000例以上の納入実績があります。
スラリーの性状に応じた一品一様の設計と、導入後の運営をサポートする体制で、内製化の立ち上げを支援しています。
現在の産廃費・外注費の状況や、スラリーの性状についてご相談ください。

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FAQ|よくある質問

排水処理を内製化すると産廃費はどれくらい削減できますか?

削減額は現在の外注費・産廃費の規模と、導入後に達成できる含水率によって変わります。産廃処理費の目安は約2万円/tで、含水率が5%改善すれば年間数百万円規模の削減になることがあります。投資回収期間は削減額の大きさに応じて1〜3年が目安です。テクニカルセンターでのテストを経て設計することで、達成できる含水率の見通しを立てられます。

フィルタープレスの導入には専任のオペレーターが必要ですか?

機種によって自動化の程度が異なります。全自動タイプ(MDFシリーズ)であれば、運転開始後の操作は最小限で済み、日常業務と並行して管理できる設計になっています。ただし、日常点検・異常対応・ろ布の交換など、定期的な保全の担当者を決めておくことは必要です。導入前に担当者への操作教育を行うことで、安定した運転に移行できます。

スラリーの性状が変わっても、同じフィルタープレスで対応できますか?

設計段階で想定した性状の範囲内であれば、圧力設定やサイクル時間の調整で対応できることがあります。ただし、原料の切り替えや工程の変更でスラリーの粒径・濃度・粘度が大きく変わった場合は、ろ布の材質や圧力条件を見直す必要が出てくることがあります。性状が変化する可能性があるなら、設計時にその変動範囲をあらかじめ確認しておくと安心です。

フィルタープレスの耐用年数はどのくらいですか?

適切なメンテナンスを続けることで20〜30年の稼働実績があります。ろ布は消耗品のため定期的な交換が必要ですが、本体の耐用年数は長く、長期間の投資回収計画が立てやすい設備です。メンテナンスの体制と部品の供給体制を導入前に確認しておくことをお勧めします。

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