- ろ過
産廃KPIを何で測るか フィルタープレス3指標
フィルタープレスを導入してから産廃コストは下がっている。そう感じているのに、経営会議に出せる数字がない。
削減の実感を「数字」に変えるには、3つの指標を計測する仕組みが必要です。含水率・処理量・コスト単価。この3軸が揃えば、産廃コストの削減は経営報告に使えるKPIになります。
含水率を追わないと、産廃削減はKPIにならない
産廃コストが下がった感覚はある。ただ、「いくら削減したか」の数字が出ない。そういった現場は少なくありません。
原因は計測の仕組みにあります。産廃処理費は「廃棄物の重量×処理単価」で決まります。この重量をコントロールする指標が、分離後の固形分に残る水分の割合(含水率)です。
含水率が高ければ同じ量の汚泥でも廃棄物の重量が増え、含水率が低ければ重量は減ります。フィルタープレスで脱水性能を上げて含水率を下げることは、そのまま産廃処理費の削減につながります。
ただし、含水率を定期的に計測していなければ、「削減した」という事実を数字で示せません。感覚での報告は稟議書にも経営報告にも使えないため、削減の実績が社内で評価されないまま終わります。含水率を追う仕組みがあってはじめて、産廃削減はKPIとして機能します。
産廃コストKPIは含水率・処理量・コスト単価の3軸で設計する
産廃コストKPIを経営報告レベルで設計するには、3つの指標を組み合わせます。
含水率(脱水の出来栄えを示す値)
フィルタープレスの脱水性能は、含水率50〜70%程度が達成可能です。遠心分離機の70〜85%程度、ベルトプレスの85%以上と比べると、脱水性能の高さが数字で確認できます。
含水率が5%下がると、汚泥100tあたりの廃棄物重量は約5t減少します。産廃処理費を2万円/tとすれば、それだけで年間10万円の削減です。月間処理量が多い現場では、含水率5%の改善が年間数百万円の削減になることもあります。
計測は月1〜2回のサンプリングで対応できます。脱水後のケーキ(ろ過が進むにつれてろ布の表面に積み重なる固体の層)を採取し、乾燥前後の重量差から含水率を算出します。特別な設備は不要です。
処理量(月間スラリー投入量)
含水率が同じでも、処理する汚泥の量が変われば削減効果の絶対額も変わります。月間の処理量(t)を記録しておくことで、「含水率○%低下×処理量○t=削減重量○t×単価○万円/t」という試算が成立します。
処理量が増えた場合でも、含水率を維持できていれば「増量対応しながらコストを抑えた」という実績になります。逆に処理量が変わっていないのにコストが増加している場合、含水率が悪化していないかを確認する手がかりにもなります。
コスト単価(産廃処理の委託単価)
産廃処理の委託単価は、廃棄物の種類や地域、処理業者によって異なります。汚泥処理では約2万円/tが一般的な想定値です。自社の実際の委託単価を記録しておくと、削減効果の試算精度が上がります。
業者変更や契約更新のタイミングで単価が変動することもあります。その場合も、処理量・含水率・単価の3つを記録しておけば、「コストが変わった要因が脱水性能なのか、単価なのか、処理量なのか」を切り分けて報告できます。
計測設計が整えば、産廃KPIは経営報告に使える
3軸の指標を記録する仕組みが整えば、産廃削減は経営報告の数字になります。最初のハードルは「現状の含水率がどのくらいか」を把握することです。
マキノのテクニカルセンターでのテストでは、液体に微細な固体が混じったドロドロの液体(スラリー)をポリタンク1本(約20リットル)持ち込むだけで、実機に近い条件で脱水テストを実施できます。現場で試行する前に、どの含水率まで下げられるかを事前に確認できる点が実用的です。
テスト後に目標含水率が決まれば、現状との差分から年間削減額の見込みを計算できます。投資回収期間は産廃コスト削減額次第ですが、1〜3年で回収できるケースが多く、設備投資の稟議書にそのまま使える根拠になります。
計測の仕組みが整った後の運用はシンプルです。月次で「含水率・処理量・削減額」を1枚の記録にまとめて報告するだけで、特別なシステムは不要です。定期計測と記録を続けることで、産廃KPIは日常管理の一部になります。
KPIが整えば、産廃削減は経営の数字になる
産廃コストの削減を経営会議で語るには、含水率・処理量・コスト単価の3指標を計測する仕組みが必要です。感覚での報告から数字での報告に変えることで、投資判断の根拠が明確になります。
含水率5%の改善が年間数百万円の削減につながる現場もあります。この試算を手元に置いておけば、フィルタープレスの改善や新規導入を検討する際の根拠になります。
現状の含水率を把握していない段階でも、テクニカルセンターでのテストから始められます。スラリー1本分の試料を持ち込めば、到達可能な含水率と年間削減額の見込みを確認できます。産廃KPIの設計を進めたい場合は、まず現状値の確認からご相談ください。
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FAQ|よくある質問
Q:含水率が5%下がると産廃コストはいくら変わるか
含水率が5%低下すると、処理する汚泥100tあたりの廃棄物重量は約5t減少します。産廃処理費を2万円/tとすれば、100tの処理量で年間10万円の削減です。
月間処理量が500tの現場であれば、含水率5%の改善だけで年間50万円以上の削減につながります。処理量が多いほど効果は大きく、年間数百万円の削減になるケースもあります。
Q:産廃KPIの目標値はどうやって設定するか
目標値は、現状の含水率から「到達可能な含水率」を確認してから設定します。マキノのテクニカルセンターでのテストでは、スラリーをポリタンク1本(約20リットル)持ち込めば実機に近い条件で脱水性能を確認できます。
フィルタープレスであれば含水率50〜70%程度が到達可能で、現状との差分が削減余地です。この数値を基に「1年以内に含水率を○%改善し、産廃処理費を年間○万円削減する」という目標を立てます。投資回収期間は1〜3年で見えるケースが多いです。
Q:産廃KPIを社内で報告するには何が必要か
最低限必要なのは、含水率・月間処理量・委託単価の3つの記録です。この3つが揃えば「前年度比で廃棄物重量が○t減少し、産廃処理費を○万円削減した」という報告ができます。
計測頻度は月1〜2回で十分で、特別なシステムは不要です。サンプリングした脱水ケーキの乾燥前後の重量を記録するだけで含水率を算出できます。月次の簡単な記録を続けることが、経営報告に使えるKPIの基盤になります。