浄水場の汚泥処理担当者がある年、老朽化した脱水機の更新入札を前に、こんな言葉を漏らしたといいます。「長く使える機械と、長く付き合えるメーカーを選びたい」。公共インフラの調達では、初期コストだけでなく、20年・30年先まで使い続けられるかどうかが判断の核心にあります。

浄水場や工業用水道では、凝集沈殿処理の過程で大量の汚泥が継続的に発生します。この汚泥を安定して脱水し続けるには、民間工場向けとは異なる水準の耐久性と処理能力が求められますが、多くの設備で「脱水性能は十分か」「メーカーが数十年後も対応してくれるか」という不安が拭えないままです。

この記事では、官公庁・浄水場・工業用水道の担当者が脱水機を選ぶ際に何を確認すべきか、マキノのMFシリーズがどのような技術と実績でその基準に応えているかを具体的に説明します。

浄水場の汚泥処理は、なぜ民間と基準が異なるのか

浄水場では、原水に凝集剤を加えて濁りや有機物を取り除く「凝集沈殿」という工程があります。この過程で発生するのが凝集沈殿汚泥です。処理水量が多い浄水場ほど、発生する汚泥の量も多く、脱水処理が追いつかなくなると産廃搬出量の増加に直結します。

工業用水道でも同様です。製造業や食品工場へ供給する前の水処理工程で汚泥が発生し、その脱水・減容化が施設管理の継続的な課題となっています。

民間工場と違うのは「止められない」という条件です。浄水場は24時間・365日の稼働が前提で、脱水機のトラブルは即座に汚泥処理の滞りにつながります。このため、公共インフラの調達では処理能力だけでなく、稼働安定性・メンテナンス対応の速さ・メーカーの経営継続性まで評価対象に入ります。

入札・調達の場面でよく確認される項目を挙げると、大規模処理への対応実績件数、耐用年数の根拠、定期点検や部品供給の体制、そして万が一のトラブル時の対応速度です。これらを総合して「20年後も安心して使えるか」が問われています。

マキノがMFシリーズを大型・高速処理向けに展開してきた原点

マキノは1932年の創業以来、フィルタープレスの専業メーカーとして一品一様の設計を続けてきました。量産品を売るのではなく、現場の条件に合わせた機械を作る。この考え方は、創業から90年以上変わっていません。

公共インフラへの本格的な対応が進んだのは、浄水場や工業用水道の担当者から「処理量が多く、民間向けのスペックでは追いつかない」という声を繰り返し受け取ったことがきっかけです。大型チャンバーの開発、高速連続処理を可能にする機構の改良、そして長期稼働に耐える部品の選定。これらを積み重ねて現在のMFシリーズ(大型・高速タイプ)が形になりました。

現在、フィルタープレスの納入実績は6,000例以上。官公庁・自治体への納入もその中に多数含まれます。「なぜ公共向けに力を入れてきたのか」と問われれば、答えは単純です。止められない現場を支えることが、メーカーとしての責任だという考えが根底にあります。

MFシリーズが大規模処理の現場で求められる理由

大量汚泥を継続処理できる能力

浄水場や工業用水道の現場では、一日に発生する汚泥量が民間工場とは桁違いになることがあります。MFシリーズは大型チャンバーと高速処理機構を組み合わせ、連続的な大量処理に対応できる設計になっています。処理サイクルを短縮しながら含水率(分離後の固形分に残る水分の割合)を安定させることで、搬出する脱水ケーキの量を管理しやすくなります。

含水率が5%下がると、産廃処理費(約2万円/トン)の計算でも年間数百万円の削減につながります。大規模施設では処理量が多い分、この差がそのまま運営コストの改善に直結します。

1.5MPaの高圧圧搾技術が脱水性能を支える

フィルタープレスの脱水性能を左右するのは、ろ過圧力です。一般的な加圧式では含水率の低下に限界がありますが、マキノの圧搾式では最大1.5MPa(大気圧の約15倍)の高圧で汚泥を圧搾します。この圧力をかけることで、ろ過だけでは除去しきれない水分をさらに絞り出します。

浄水場の凝集沈殿汚泥は性状が安定しにくく、季節や原水の変化によって脱水しにくい状態になることがあります。高圧圧搾はそういった変動に対してもある程度の脱水性能を維持できる点で、公共施設の担当者から評価されています。

20〜30年の耐用年数と長期メンテナンス体制

適切なメンテナンスを続けた場合、マキノのフィルタープレスの耐用年数は20〜30年です。公共インフラの更新スパンに合わせた設計と、長期間にわたる部品供給・定期点検の体制を整えています。

競合メーカーの多くが公共下水道向けの標準機を軸に展開しているのに対し、マキノは民間工場での多品種対応で培った設計力を、公共施設の個別条件にも応用できます。「この現場に合った機械」を作る姿勢が、更新時にも同じメーカーを選ぶという判断につながっています。

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公共調達での評価をどう準備するか

入札や調達の審査では、仕様書の数値だけでなく、総合的な評価が行われます。処理能力・脱水性能・耐久性に加え、「このメーカーに発注して長期間安心できるか」という観点が実質的に重視されます。

マキノは東京商工リサーチによる優良企業A評価を受け、自己資本比率は56.4%です。財務の健全性は、数十年にわたるメンテナンス対応の継続を裏付ける根拠のひとつです。官公庁の発注担当者がメーカーを選ぶ際、機械の性能と同じくらいメーカー自体の継続性を確認する場面で、この数字は意味を持ちます。

また、納入実績の内訳も確認される場合があります。「同種・同規模の施設への納入経験があるか」という問いに対して、6,000例以上の実績から類似事例を提示できることは、提案段階での信頼の根拠になります。

担当者が「この機械で20年後も大丈夫か」と感じられるかどうか。その安心は、仕様書の数字と、メーカーの実績・財務・対応体制が重なって初めて生まれます。マキノはその積み重ねを、一件一件の納入を通じて続けてきました。

まとめ

浄水場や工業用水道の汚泥処理では、止められない稼働条件と大量処理への対応が求められます。MFシリーズは大型・高速処理に対応した設計と、最大1.5MPaの高圧圧搾技術によって、公共インフラの現場で必要とされる脱水性能と安定稼働を両立しています。

入札・調達の場面で問われる「20〜30年の耐用年数」「長期メンテナンス体制」「メーカーの財務継続性」にも、6,000例以上の実績と財務健全性(自己資本比率56.4%・東京商工リサーチ優良企業A評価)をもって答えられます。大規模水処理の更新・新設を検討している担当者は、まず現在の処理量と含水率の目標値をお知らせください。現場条件に合わせた提案から始めます。

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FAQ|よくある質問

Q:浄水場の汚泥処理にフィルタープレスを使う場合、どの程度の含水率まで下げられますか?


凝集沈殿汚泥の性状によって異なりますが、単純加圧式で含水率50〜65%、圧搾式では最大1.5MPaの高圧圧搾を加えることで50%前後まで下げられる場合があります。
含水率が5%下がると産廃処理費(約2万円/トン)の計算で年間数百万円の削減につながるため、圧搾式を選ぶ施設が増えています。
現場の汚泥性状を確認した上で目標含水率をご提示いただければ、対応可能な機種を具体的に提案します。

Q:MFシリーズの耐用年数はどのくらいですか?メンテナンス部品の供給は長期間続きますか?


適切なメンテナンスを続けた場合、耐用年数は20〜30年です。
公共施設の更新スパンに合わせた設計を行っており、定期点検・消耗部品の供給体制も長期間維持しています。
マキノは自己資本比率56.4%・東京商工リサーチ優良企業A評価の財務健全性を持ち、数十年後の対応継続を裏付ける体制があります。導入後のサポート計画については、ご納入時に詳細をご説明します。

Q:入札・調達の仕様書作成に協力してもらえますか?実績証明の資料は用意できますか?


仕様書の技術的な内容についてはご相談いただけます。同規模・同種施設への納入実績も6,000例以上の中から類似事例を提示できますので、調達準備の段階からお声がけください。
なお、具体的な仕様書作成への関与は案件の条件によって異なります。まずはお問い合わせフォームから現在の検討状況をお知らせください。担当者がご状況に合わせてご案内します。

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