設備更新の稟議を通すとき、投資額の大きさだけが壁になって先に進めなかった経験はないでしょうか。
その重い投資判断を動かす後押しが、2027年3月まで適用される中小企業投資促進税制です。フィルタープレスのような機械装置への設備投資に対して、取得価額の30%特別償却または7%の税額控除が受けられます。
この記事では、税制の仕組みとフィルタープレスへの適用条件、そして産廃コスト削減と税制メリットを組み合わせたROI試算の考え方を具体的な数字とともに解説します。

なぜ今、設備投資の税制優遇が経営判断を左右するのか

製造業の工場長や設備担当者が設備更新を後回しにする理由のひとつは、初期投資の大きさです。フィルタープレスは数百万円から数千万円規模の設備であり、稟議の通りやすさは投資回収の見通しが立つかどうかにかかっています。
一方で、産廃処理コストは年々上昇傾向にあります。汚泥・スラリー(液体に微細な固体が混じったドロドロの液体)の含水率(分離後の固形分に残る水分の割合)が高ければ高いほど、廃棄物の重量は増え、産廃処理費が膨らみます。含水率を5%下げるだけで、年間数百トン単位の重量削減につながることがあります。産廃処理費を1トンあたり2万円と仮定すれば、年間数百万円規模のコスト削減が実現する計算です。
そこへ中小企業投資促進税制が加わると、「初期投資の重さ」と「ランニングコストの改善」の両面から経営的な合理性が揃います。設備更新を決断するタイミングとして、2027年3月という期限を意識する意義はそこにあります。
また、2026年施行の廃棄物処理法施行規則改正によりPRTR(化学物質の排出・移動量の届出)対象物質の含有量表示義務が強化されています。汚泥の管理精度を高める観点からも、脱水性能の見直しを含めた設備投資は今期検討すべきテーマといえます。

中小企業投資促進税制の仕組みとフィルタープレスへの適用条件

中小企業投資促進税制は、中小企業者等が新品の機械装置などを取得した際に、税制上の優遇を受けられる制度です。2026年3月時点での主な内容は以下のとおりです。
対象設備の筆頭は機械装置で、1台あたり160万円以上が条件となります。フィルタープレスは製造・加工ラインで使用される機械装置に該当し、通常160万円を超える設備であるため、この条件をほぼ満たします。

特別償却(取得価額の30%)

取得価額(基準取得価額)の30%を普通償却限度額に上乗せして費用計上できます。初年度の課税所得を大きく圧縮したい場合に有効な選択肢です。

税額控除(取得価額の7%)

取得価額の7%を法人税額から直接差し引けます(控除上限は調整前法人税額の20%)。法人税を安定して納付している企業にとって直接的な節税効果が生まれます。

適用期間は令和9年3月31日(2027年3月)までです。この期限までに取得・事業供用した設備が対象となります。
ただし、適用には法人税申告書への別表添付などの手続きが必要です。また、中古品や貸付用設備は対象外となる場合があります。税務処理の詳細は税理士または中小企業庁の窓口にご確認ください。

税額控除と特別償却、どちらが有利かを現場の数字で考える

税額控除と特別償却のどちらを選ぶかは、自社の税負担状況によって変わります。ここでは具体的な数字を使って考え方を整理します。
仮にフィルタープレスの取得価額が3,000万円の場合、税額控除を選ぶと210万円(3,000万円×7%)を法人税額から直接控除できます。特別償却を選ぶと900万円(3,000万円×30%)を初年度の費用として追加計上できるため、課税所得を大きく圧縮できます。
法人税を安定的に納付している企業には税額控除が有利なことが多く、設備投資で一時的に利益が圧迫される場合は特別償却が有効なケースがあります。いずれにせよ、選択の判断は自社の決算状況を把握している税理士への相談が確実です。
マキノへの問い合わせでも、「税制の活用を前提にした導入相談」を受け付けています。見積もりと同時に投資回収シミュレーションの試算をご希望の場合は、現場の処理量・現状の産廃処理費・含水率のデータをあらかじめご準備いただくと、より精度の高い数字をお伝えできます。

産廃コスト削減と税制優遇を合わせたROI試算の考え方

設備投資の意思決定に欠かせないのが、投資回収期間(ROI)の試算です。フィルタープレスの導入では、初期投資額だけでなく、稼働後の産廃処理費削減額を軸に考えることが重要です。
マキノの納入実績では、含水率を5%改善することで年間数百万円規模の産廃処理費削減を実現した事例が多数あります。仮に年間削減額が300万円の現場であれば、3,000万円の設備投資は単純計算で10年で回収できます。しかし産廃コスト削減が年間500万円規模に達する現場では、回収期間は6年に短縮されます。
ここへ中小企業投資促進税制の税額控除(3,000万円投資なら210万円)が加わると、実質的な初期負担は2,790万円まで下がります。結果として投資回収期間はさらに短縮されます。実際にマキノの顧客事例では、産廃コスト削減と税制優遇を組み合わせた場合、投資回収期間が1〜3年に収まるケースも少なくありません。
マキノの1.5MPa(大気圧の約15倍に相当する圧力)の高圧圧搾技術は、含水率を限界まで下げることを目的に設計されています。圧力を上げれば必ず良いわけではなく、スラリーの粒径・粘度・温度に合わせた最適圧力の選択が重要です。一品一様設計のもと、処理対象ごとに圧力・ろ布(液体だけを通して固体を堰き止める特殊なフィルター)・サイクル時間を組み合わせることで、試算どおりの削減効果を現場で再現できます。
投資回収の試算に必要な主な変数は「現在の産廃処理量(トン/年)」「現状の含水率」「産廃処理費の単価(円/トン)」の3点です。これらの数字をお持ちであれば、マキノのエンジニアが現場に合った試算をご提示します。

まとめ

中小企業投資促進税制は、フィルタープレスのような機械装置への投資に対して30%の特別償却または7%の税額控除を受けられる制度です。適用期間は2027年3月末まであります。
税制優遇単体で考えるのではなく、含水率改善による産廃処理費の削減効果とセットでROIを試算することが、設備投資判断の精度を高めます。マキノは1932年の創業以来、6,000例以上の納入実績を積み重ね、民間製造業の多様なプロセスに対応してきました。納期の短さと一品一様設計を武器に、現場の数値を軸にした提案をお届けします。
設備更新を検討している場合は、2027年3月という期限を意識しながら、今期の具体的な試算から着手することをおすすめします。

FAQ|よくある質問

Q:フィルタープレスは中小企業投資促進税制の対象になりますか


はい、フィルタープレスは機械装置に該当し、1台あたり160万円以上であれば対象となります。新品の取得であること、中小企業者等に該当することが主な条件です。詳細な要件は税理士または中小企業庁にご確認ください。

Q:税額控除と特別償却のどちらを選ぶべきですか


法人税を安定して納付している場合は、取得価額の7%を税額から直接差し引ける税額控除が有利なことが多いです。3,000万円の設備なら210万円の控除となります。一方、初年度の利益が圧迫される場合は取得価額の30%(同900万円)を費用計上できる特別償却が有効なケースもあります。自社の決算状況をもとに税理士と相談してください。

Q:産廃コスト削減の効果はどのくらいで出ますか


含水率(分離後の固形分に残る水分の割合)が5%改善されると、年間数百トン単位の廃棄物重量が削減されます。産廃処理費が1トンあたり2万円の現場では、年間数百万円の削減につながります。投資回収期間は現場の処理量や削減幅によって異なりますが、産廃コスト削減と税制優遇を組み合わせると1〜3年で回収できるケースも多くあります。

現場の数値を一緒に試算しましょう

「税制を活用したいが、自社の設備に当てはまるかわからない」「産廃コストの削減効果を具体的な数字で確認したい」——そのような段階からご相談いただけます。
マキノでは、現在の処理量・含水率・産廃処理費の3点をお教えいただければ、現場に合った投資回収シミュレーションをご提示します。最短1ヶ月の納期対応も可能です。まずは数字を揃えてご連絡ください。
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※本情報は2026年3月時点のものです。税制の詳細・最新情報は中小企業庁または税理士にご確認ください。