「排水処理の外注費が毎年上がっているが、内製化は難しいのでは」と考えている製造現場は少なくありません。
しかし実際には、フィルタープレスを導入することで外注費の50%前後を削減できたケースも複数あります。
本記事では排水処理の内製化がなぜコスト削減に有効なのか、どんな条件なら踏み切れるのかを具体的に解説します。
排水処理の外注費はなぜ高くなりがちなのか
排水・廃液処理を外部業者に委託している場合、費用は大きく3つの要素で決まります。
1つ目は処理量(体積・重量)に比例する変動費です。廃液量や産廃ケーキの量が増えるほどコストが線形に上昇します。
2つ目は収集・運搬費です。廃棄物の種類・含水率・輸送距離によって変わり、含水率が高いほど重量当たりの輸送コストが大きくなります。
3つ目は産廃業者の価格改定リスクです。人件費・燃料費の上昇を受けて産廃処理費は近年継続的に値上がりしており、委託を続ける限りこのリスクを抱え続けます。
これら3つが複合すると、年間の外注費は想定より速いペースで膨らみます。
スラリー(液体に固体が混じったドロドロの液体)の処理量が月10〜50t規模の工場であれば、脱水処理を自社で行うことで変動費の大部分をコントロール下に置くことができます。
内製化で削減できるコストの全体像
フィルタープレスを導入して排水処理を内製化した場合、コスト削減が発生するのは複数の経路です。
最も大きいのは産廃ケーキの重量削減です。外注の廃液処理は液体をそのまま引き渡すことが多いですが、フィルタープレスで脱水してケーキ化すれば体積・重量が大幅に減ります。含水率(脱水後の固形物に残る水分の割合)を80%から60%に下げた場合、同じ量のスラリーから発生するケーキ重量は約半分になります。
次に効くのは処理単価の変化です。外注費は業者が設定する単価に依存しますが、自社で行えばランニングコストはろ布(液体だけを通すフィルター)交換費・電力費・水道費だけになります。フィルタープレスの消費電力はポンプ運転を含めても比較的小さく、ろ布の寿命も適切なメンテナンスで数千〜1万回以上の使用が可能です。
さらに廃液の水分を分離することで、ろ液(分離した水)を工程用水として循環利用できるケースがあります。この水リサイクルが実現すれば用水コストの削減にもつながります。
内製化に踏み切るための3つの判断基準
「内製化したいが設備投資の回収が見えない」という懸念を解消するには、以下の3指標を確認するとよい。
1つ目は現在の外注費の規模です。年間外注費が300万円を超えるなら、小型フィルタープレスの導入費用(500〜1,000万円前後)を数年で回収できる試算が成り立ちやすいです。年間費用と設備償却の比較が最初の判断材料になります。
2つ目はスラリーの量と性状の安定性です。処理するスラリーの量が月間安定していて、性状(粒径・粘度・含有物質)が大きく変動しない場合は内製化の難易度が低いです。逆に不定期・少量・多品種の廃液が混在する場合は設備選定が複雑になります。
3つ目はオペレーターの確保見通しです。フィルタープレスの日常運転は難しくありませんが、ろ布の張替えや基本的な点検ができる担当者が必要になります。WAP型(全自動タイプ)であれば開枠・排泥・洗浄を自動化できるため、人手が限られる現場でも対応しやすいです。
フィルタープレスが内製化の核心になる理由
排水処理の内製化で最初に検討すべき設備がフィルタープレスである理由は、固液分離の効率と経済性のバランスにあります。
遠心分離機やベルトプレスと比較して、フィルタープレスは含水率をより低い水準まで下げられます。この脱水性能の高さが産廃重量の削減に直結し、年間コストの削減幅を大きくします。
マキノは1932年の創業以来6,000例以上の納入実績を持ち、食品・化学・金属・電子部品など多岐にわたる業種の内製化案件を手がけてきました。
導入前のラボテスト(約10〜20リットルのサンプルで行う脱水試験)で含水率の達成見通しを数値化し、外注費削減・産廃費削減・用水コストの試算をセットで提示できるため、社内稟議・補助金申請の根拠資料としても活用いただけます。
また設備導入に際して中小企業投資促進税制(即時償却または税額控除7%)や各種補助金との組み合わせで初期投資の負担を抑えることも可能です。
フィルタープレスの詳細はこちら
内製化後の運用で失敗しないためのポイント
内製化後のコスト削減効果を維持するには、設備の性能を長期間安定させる運用体制が欠かせません。
最も注意が必要なのはろ布の管理です。ろ布が目詰まりしてくると含水率が上昇し、産廃重量が増えてコスト削減効果が薄れます。定期的なろ布洗浄と目視点検、適切なタイミングでの交換が脱水性能の維持に直結します。
次にポンプの圧力管理です。給液ポンプの圧力が低すぎると脱水時間が延び、処理能力が落ちます。高すぎると急激な圧力でろ布へのダメージが増します。インバータ制御で圧力を段階的に上げるスローアップ制御が運転効率とろ布寿命の両立に有効です。
マキノは設備納入後の定期点検・消耗品供給・トラブル対応を継続的にサポートしており、内製化後の運用安定にも対応しています。
まとめ
排水処理の外注費削減は、フィルタープレスによる内製化で現実的な選択肢になります。
産廃ケーキの重量削減・外注単価の排除・用水リサイクルという3経路でコストが下がり、外注費の50%前後を削減できるケースが実際にあります。
内製化の判断には現在の外注費規模・スラリーの性状・オペレーター確保の3点を確認することが出発点です。
ラボテストで含水率の改善見通しと削減額を数値化してから意思決定できるため、「設備投資の回収が見えない」という懸念は検証によって解消できます。まずはスラリーのサンプルをお持ちいただいた上でご相談ください。
ご質問・ご相談など
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FAQ|よくある質問
Q:内製化でどれくらいのコスト削減が見込めますか?試算方法を教えてください。
削減額は現在の外注費と処理するスラリーの含水率改善幅によって変わります。
概算の出し方は「現状の産廃重量(t/年)×含水率改善による重量削減率×産廃処理単価(約2万円/t)」で産廃費削減を算出し、外注委託の基本料・運搬費削減分を加えた合計が削減見込み額です。
マキノのラボテストでは含水率の改善数値とコスト試算をレポートとして提供しているため、この試算を稟議書に使っていただくことも可能です。
Q:処理するスラリーの量が少ない場合でも内製化できますか?
月間スラリー量が少ない場合でも、小型・コンパクト設計のフィルタープレスで対応可能です。
マキノは処理量に合わせた機種・ろ過面積の選定が可能で、週1〜2回のバッチ処理で収まる規模の工場にも納入実績があります。
「外注費は月10万円程度だが毎年上がっている」というケースも、設備費と外注費の推移を比較しながらご提案しますのでご相談ください。
Q:既に一部の廃液処理を外注している場合、内製化に切り替える際の手順は?
まずラボテストで処理可能かを確認し、設備仕様・設置スペース・電源容量を確認して機種を選定します。
試運転で含水率と処理能力を検証した後、外注契約の終了タイミングに合わせて本格稼働に切り替えるのが一般的な手順です。
移行中は外注と並行稼働する期間が生じる場合もありますが、マキノでは試運転サポートと現場立ち合いを含む導入支援を行っています。






