「フィルタープレスの導入を検討しろと言われたが、何から手をつければいいかわからない」という担当者は少なくありません。
メーカーに問い合わせる前に何を準備すべきか、テクニカルセンターでのテストとは何か、費用はいくらかかるか、といった疑問が頭を占めたまま、検討が止まってしまうことがあります。
この記事では、フィルタープレスの導入を初めて考え始めた方に向けて、最初のステップをQ&A形式で整理します。

Q1. まず何を調べればよいですか

最初に確認すべきは、処理対象の液体の性質です。
具体的には、液体に微細な固体が混じったドロドロの液体(スラリー)の粒径・粘度・固形分濃度の3つと、1日あたりの処理量が基本情報になります。

「どんな液体か」を整理することで、どの機種が候補になるか、どの程度の処理能力が必要かが見えてきます。
逆に言えば、この情報なしにメーカーへ問い合わせても、適切な機種の絞り込みができません。
処理対象が複数ある場合や、季節・製品ロットによってスラリーの性質が変わる場合は、その変動幅も把握しておくと後の工程がスムーズになります。

あわせて、「どこまで脱水したいか」という目標値も考えておきましょう。
分離後の固形分に残る水分の割合(含水率)をどの水準まで下げたいかによって、機種の選択肢が絞られます。
現在の処理方法と比較して何をどう改善したいのか、その目的を整理しておけば、メーカーとの最初の対話がより実りある内容になります。

Q2. メーカーに問い合わせる前に何を準備しますか

問い合わせ前に準備しておくと話が早く進む情報は、次の3点です。

まず、スラリーのサンプルです。
後述するテクニカルセンターでのテストを行う場合、実際の処理対象液を10〜20リットル程度お預かりすることになります。
サンプルを準備できる状況にあるかどうか、あらかじめ社内で確認しておきましょう。

次に、処理量と目標含水率です。
「1日何トンのスラリーを処理したいか」「含水率を何パーセントまで下げたいか」という数値があると、機種の絞り込みとコスト試算が格段に速くなります。
厳密な数値でなくても、おおよその目安で構いません。

3つ目は、現行の処理方法と課題感です。
現在は遠心分離機やベルトプレスを使っているのか、あるいは手作業や沈殿槽のみなのか。
その方法に何が不満で導入検討に至ったのかを整理しておくことで、メーカー側も的確な提案ができます。

Q3. テクニカルセンターでのテストとは何ですか。必ず必要ですか

テクニカルセンターでのテストとは、実際のスラリーを使って小規模な試験機で脱水特性を実測する工程です。
最適な圧力・液体だけを通して固体を堰き止める特殊なフィルター(ろ布)の種類・1バッチあたりの処理サイクル時間を数値で確認できます。

テクニカルセンターでのテストが重要な理由は、スラリーの性質が外見からはわからないからです。
同じ「排水汚泥」でも、工場の製造プロセスによって粒径や粘度は大きく異なります。
カタログスペックだけで機種を選ぶと、導入後に「想定より含水率が高い」「ケーキが剥がれない」といった問題が起きるリスクがあります。

マキノでは10〜20リットルのサンプルをお預かりして試験を行います。
期間は通常1〜2週間で、この試験結果をもとに機種・圧力・ろ布の仕様が確定します。
すべての案件でテクニカルセンターでのテストが必須というわけではありませんが、処理対象が特殊だったり、初めてフィルタープレスを導入する場合には、テクニカルセンターでのテストを経ることで導入後のトラブルを大幅に減らせます。

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Q4. 費用はどのくらいかかりますか

フィルタープレスの費用は、機種・処理能力・自動化の程度によって幅があります。
小規模な手動タイプから全自動タイプまで選択肢は広く、一概に「いくら」とは言えません。
ただし、投資回収の目安として「1〜3年」を参考値にしているケースが多くあります。

たとえば産廃処理費を年間数百万円削減できる場合、初期投資を数年で回収できる計算になります。
含水率を5%下げると固形分の重量が年間数百トン単位で変わり、産廃処理費(1トンあたり約2万円想定)で換算すると年数百万円の削減につながることがあります。
「脱水性能の改善が産廃コストにどう影響するか」を金額で試算することで、導入判断の根拠が固まります。

フィルタープレスの耐用年数は、適切なメンテナンスを続ければ20〜30年です。
初期投資だけでなく、長期間にわたるランニングコスト全体で見ると、費用対効果はさらに有利になります。
まず相談の段階でおおよその費用感を聞くことが、具体的な検討への第一歩です。

Q5. 導入までのスケジュールはどのくらいかかりますか

一般的な導入の流れは、相談・テクニカルセンターでのテスト・見積・設計・製造・設置という順序になります。
テクニカルセンターでのテストから設置完了まで最短でも数カ月かかるケースが多く、急ぎの場合は相談の段階でスケジュールを共有することが重要です。

ステップ 内容 目安期間
①相談・ヒアリング スラリー性状・処理量・目標含水率を整理 1〜2週間
②テクニカルセンターでのテスト サンプルを使って脱水特性を実測 1〜2週間
③見積・仕様確定 テクニカルセンターでのテスト結果をもとに機種・仕様・価格を提示 2〜4週間
④設計・製造 一品一様の仕様で設計・製作 2〜4カ月
⑤設置・試運転 現地据付・動作確認・引き渡し 1〜2週間

年度末の設備更新や法対応期限に合わせたい場合は、逆算して相談を始める時期を決めることをおすすめします。
設計・製造のフェーズは受注後にスタートするため、早めに動くほど納期の融通が利きやすくなります。

まとめ

フィルタープレスの導入検討は、処理対象のスラリー性状と処理量の整理から始まります。
その情報をもとにメーカーへ相談し、テクニカルセンターでのテストで実際のデータを取ってから仕様と費用を確定する。この流れで進めると、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
投資回収の目安は1〜3年、耐用年数は20〜30年という数値は、経営判断の材料として活用できます。

「何を準備すればよいかわからない」という段階でも、相談の入り口としてスラリーのサンプルと処理量の目安があれば話が進みます。
1932年の創業以来、6,000例以上の納入実績を持つマキノでは、初めての導入検討にも対応しています。
まずは気軽にご相談ください。

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FAQ|よくある質問

Q:テクニカルセンターでのテストにかかる費用はどのくらいですか


テクニカルセンターでのテストの費用はスラリーの性質や試験項目の複雑さによって異なります。まずはスラリーの概要をお伝えいただいた上でご相談ください。試験期間の目安は1〜2週間で、この結果が機種選定と見積の根拠になります。

Q:フィルタープレスを導入すると産廃費はどのくらい削減できますか


含水率を5%改善できると、脱水後の固形分重量が年間数百トン単位で減少します。産廃処理費を1トンあたり約2万円で試算すると、年間数百万円の削減につながるケースがあります。処理量と現在の含水率をお知らせいただければ、より具体的な試算が可能です。

Q:スラリーのサンプルを用意できない場合でも相談できますか


サンプルがなくても、まずはヒアリングから始められます。スラリーの性状(粒径・粘度・固形分濃度の目安)と1日の処理量をお伝えいただければ、候補機種や導入の方向性についてお話しできます。テクニカルセンターでのテストはサンプルが確保できた段階で進める形でも問題ありません。

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