「補助金を申請したいが、審査員に伝わる数字が出せない。」
省エネ補助金やGX関連補助金の申請でつまずく製造業の担当者から、マキノへの相談として繰り返し届く声です。
採択率を左右するのは設備の性能そのものではなく、「環境への貢献をどれだけ具体的な数値で示せるか」です。この記事では、フィルタープレス導入における廃棄物削減量・CO2換算・省エネ効果の試算方法を整理します。

補助金審査で「環境貢献度」が重視される理由

製造業向けの設備補助金、特に省エネ補助金(省エネルギー投資促進支援事業費補助金)やGX推進に関連する支援制度は、近年いずれも「削減量の定量的な根拠」を求める傾向が強まっています。

かつては「省エネ設備に更新する」という方針説明だけで通ることもありましたが、今は違います。何kWhを削減するか、CO2換算で何トン減るか、処理委託する廃棄物を何トン減らせるか。審査員が比較検討できる数字がなければ、採択順位が下がります。

2026年に本格稼働するGX-ETS(排出量取引制度)の影響で、脱炭素への取り組みを数値で証明することへの要求は一段と高まっています。補助金申請はその「証明書」を事前に作る作業でもあります。

フィルタープレス導入で数値化できる3つの削減効果

フィルタープレスの導入効果を補助金申請に活かすには、以下の3軸で数値を整理することが出発点です。

廃棄物重量の削減量

1つ目は、廃棄物重量の削減量です。
産業廃棄物(汚泥・スラリー等)の処理委託費は重量単価で課金されます。目安は約2万円/トンです。フィルタープレスは脱水後の含水率(分離後の固形物に残る水分の割合)を50〜70%まで引き下げられます。遠心分離機(70〜85%)やベルトプレス(85%前後)と比較すると、廃棄物の重量圧縮効果が明らかに高い。
試算の具体例として、月100トンの汚泥を現在の含水率80%から65%に改善できたとすると、廃棄物の実質重量は約12%減少します。年間換算で約14トン、処理費削減で約28万円。これを5年間で試算すると140万円の削減根拠になります。

CO2排出量の削減換算

2つ目は、CO2排出量の削減換算です。
廃棄物の輸送に使うトラックのCO2排出量は、廃棄物重量に比例します。廃棄物重量が減れば輸送トリップ数が減り、それがCO2削減量として計算できます。環境省の排出係数を使えば、削減トン数からCO2換算値(tCO2)を算出できます。この数値は補助金申請の「環境効果欄」に直接記入できる形式です。

電力消費量の比較

3つ目は、電力消費量の比較です。
遠心分離機は高回転を維持するための電力消費が大きく、フィルタープレス(特に間欠運転の機種)と比べて電力コストが高くなりやすいです。省エネ補助金の審査では「旧設備vs新設備のkWh比較」を求められるケースが多いため、現状の電力実績と導入後の見積もり値を並べて提示できると、採択の根拠が厚くなります。

採択率を上げる「数値根拠の作り方」

補助金申請書に書ける数値を用意するには、2つの方法があります。

1つ目は、現状データの整理です。処理委託費の請求書・電力料金の明細・廃棄物排出量の記録から、年間の現状値を把握します。これが「削減前」の基準値になります。

2つ目は、ラボテストによる「削減後」の実測値取得です。マキノでは10〜20リットルのスラリーサンプルを使ったラボテスト(実機相当の条件で試験を行う検証プロセス)を実施しています。ここで達成できる含水率・ろ過速度・電力消費量の見込み値を取得できれば、「導入後の数値」として申請書に記入できます。

2023〜2025年の補助金申請でマキノのラボテストデータを活用した事例では、現状値との比較が明確だったために「環境効果の説得力が高い」という評価を受けたケースがあります。審査員は「どれだけ削減できるか」を読者として見ています。

活用できる主な補助金・税制優遇

フィルタープレス導入時に検討すべき制度をまとめます。

省エネルギー投資促進支援事業費補助金(省エネ補助金)は、設備更新によるエネルギー削減効果を審査する制度です。省エネ率や削減kWh量が採択基準に直結するため、現状設備との比較データが重要です。

中小企業省力化投資補助金は、自動化・省力化設備の導入を支援します。WAP型の全自動フィルタープレスや、MDFシリーズ(全自動タイプ)は無人運転が可能なため、人件費削減効果と環境効果を組み合わせて申請できます。

中小企業投資促進税制は補助金ではなく税制上の優遇ですが、フィルタープレスが対象機械設備に該当する場合、取得価格の30%特別償却または7%税額控除が適用できます。補助金との組み合わせも可能です(補助金受領後の残額に対する適用)。

GX推進関連の補助金は年度ごとに制度が変わるため、経済産業局または専門機関への最新情報の確認を推奨します。

「採択されやすい申請書」に共通する書き方

採択率の高い申請書を見ると、共通するパターンがあります。

まず、現状の課題と数値が明確です。「含水率80%の汚泥が月◯トン発生しており、処理委託費が年◯万円かかっている」という記述は、問題の実在を審査員に伝えます。

次に、導入後の効果が具体的な数字で示されています。「含水率を65%に改善することで廃棄物重量を◯%削減し、年間◯万円の削減と◯tCO2の排出削減につながる」という記述は、採点対象になる環境効果欄を埋める根拠になります。

最後に、実現可能性の根拠があります。ラボテストのデータ、過去の導入事例(同業種・同規模の現場での実績)、メーカーからの技術的な説明文書があると、審査員の信頼が高まります。

マキノは創業1932年・納入実績6,000例以上の専門メーカーとして、東京商工リサーチ優良企業A評価(自己資本比率56.4%)を維持しています。補助金申請に必要な仕様情報の提供や、ラボテストによる削減根拠の取得をサポートできます。

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まとめ

フィルタープレス導入における環境貢献度を具体的な数字で示すことが、補助金採択率を直接左右します。廃棄物削減量・CO2換算・省エネ効果の3軸でデータを整えれば、審査員が比較検討できる根拠になります。
「削減前」の数値は請求書や電力明細から把握でき、「削減後」の数値はマキノのラボテストで取得できます。この2つを揃えることが、採択力の高い申請書の基礎です。

補助金と中小企業投資促進税制は重複適用が可能であり、実質的な初期投資負担を大きく下げられます。まず導入前の段階で、活用できる制度と必要な数値根拠を確認することが、次の投資判断をスムーズにします。

FAQ|よくある質問

Q:補助金申請に必要なラボテストデータはどのように取得できますか。


マキノでは10〜20リットルのスラリーサンプルをお預かりして、実機相当の条件でラボテストを実施しています。達成できる含水率・ろ過速度・圧力設定の結果を数値で提供できるため、補助金申請書の「導入後効果」欄に記入できる根拠として活用できます。サンプルの採取方法・保管条件はご相談時にご案内します。

Q:省エネ補助金と中小企業投資促進税制は同時に使えますか。


補助金と税制優遇は原則として重複適用が可能です。ただし補助金を受領した場合、税制優遇(特別償却・税額控除)は補助金受領後の残額を基準に計算します。適用要件は企業規模・機種・用途によって異なるため、所轄の税理士または経済産業局にご確認ください。マキノでは申請に必要な仕様書・性能データの提供ができます。

Q:CO2削減量はどのように計算すればよいですか。


廃棄物輸送によるCO2排出量は、廃棄物重量(トン)に輸送距離・排出係数(環境省の算定ツールで確認可能)を掛け合わせて算出します。フィルタープレス導入で廃棄物重量が減れば、輸送トリップ数が減り、その差分がCO2削減量になります。計算方法の整理はご相談時にお手伝いできます。

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