脱水工程のたびに作業員が立ち会い、ケーキの剥離やろ布の洗浄を手作業で行う負担に頭を悩ませていませんか。
実は、自動化が進まない真の原因は、単なる制御の問題ではなく、スラリーの性質に合わせた「物理的な剥離性能」と「洗浄の精度」が不足していることにあります。
この記事では、開枠からろ布洗浄までを完全無人化するWAP型全自動フィルタープレスの内部構造と、プロセス自動化を成功させるための仕組みを詳しく解説します。

なぜ脱水工程の「完全無人化」は難しいと言われるのか

多くの製造現場において、脱水工程は「最後の人手作業」として残りがちです。
一般的な自動機を導入しても、ケーキ層(ろ過が進むにつれてろ布の表面に積み重なる固体の層)がろ布に付着して自然に落下しなかったり、ろ布(液体だけを通して固体を堰き止める特殊なフィルター)に目詰まりが発生して処理能力が落ちたりするため、結局は人の手による介入が必要になるからです。

特に粘着性の高いスラリー(液体に微細な固体が混じったドロドロの液体)を扱う場合、ケーキの剥離不良は避けられない課題とされてきました。
しかし、人手不足が深刻化する中で、脱水工程の無人化は単なる効率化ではなく、工場の継続性を左右する経営課題となっています。

株式会社マキノが開発したWAP型は、これらの「現場の泣き所」を物理構造から見直すことで解決しました。
人による「見守り」や「手助け」を不要にするための、具体的なメカニズムを見ていきましょう。

WAP型が実現する「開枠・剥離・洗浄」の一貫自動プロセス

WAP型の最大の特徴は、独自の「全自動開枠・ろ布振動装置」と「高圧ろ布洗浄装置」が完全に連動している点にあります。
脱水が完了した後、装置は設定されたプログラムに従い、自動でろ板(ろ過を行う板状の部品)を一枚ずつ、あるいは一括で開放します。

ここで重要なのが、単に開くだけでなく、ろ布に機械的な振動を加える仕組みです。
これにより、粘り気のあるケーキであっても、重力に従って確実にホッパーへと落下します。
このプロセスに人の手が入らないことで、作業員を高温多湿、あるいは薬品臭の漂う過酷な環境から解放することが可能になります。

さらに、ケーキ剥離後には「高圧洗浄ノズル」が走行し、ろ布の表面だけでなく、繊維の奥に入り込んだ微細な粒子まで自動で洗い流します。
「毎回、最高のコンディションで次のろ過サイクルを開始できる」ことが、長期的な無人運転を支える技術的根拠となっているのです。

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水圧圧搾と空気乾燥を組み合わせた「含水率削減」の物理的根拠

自動化と並んで、WAP型が選ばれる理由が「含水率(分離後の固形分に残る水分の割合)」の圧倒的な低さです。
WAP型は、1.5MPa(大気圧の約15倍に相当する圧力)という高圧の水圧圧搾機能を備えています。

一般的なフィルタープレスが空気で圧搾するのに対し、非圧縮性である水を用いることで、ケーキ層の隅々まで均一に強力な圧力を伝えることができます。
これにより、内部の水分を絞り出し、含水率を限界まで低下させることが可能です。

また、圧搾後には「空気乾燥(エアブロー)」を組み合わせ、ろ室内に残った水分を物理的に吹き飛ばします。
この「水圧圧搾+空気乾燥」のダブルアクションにより、従来の脱水機では含水率80%が限界だった汚泥でも、含水率60%前後まで低減できるケースが多々あります。
含水率が5%低下するだけで、産廃重量は年間数百トン単位で削減され、処理費用(約2万円/t想定)を年数百万円単位で圧縮できる計算になります。

一品一様設計:スラリーに合わせた最適プロセスの構築

マキノが提供するのは、単なる「動く機械」ではありません。
1932年の創業以来、6,000例以上の納入実績で培った知見に基づき、スラリーごとに異なる最適なサイクル時間をプログラムに組み込みます。

例えば、粒径が非常に細かいスラリーの場合、急激な加圧はろ布の目詰まりを早めるだけです。
マキノの全自動システムでは、圧入ポンプの回転数をインバータ制御し、ケーキ層が形成されるまでは低圧で、層が安定してから徐々に高圧へとシフトさせる緻密な制御を行います。

この「一品一様設計」があるからこそ、WAP型は24時間365日の安定稼働を可能にします。
「機械に合わせて運用を変える」のではなく、「お客様のプロセスに合わせて機械を最適化する」こと。これが、マキノが民間製造業の現場から支持され続けている理由です。

まとめ「現場に誰もいない安心」をマキノの技術で

脱水工程の完全無人化は、単なるコストダウンの手段ではありません。
それは、熟練作業員の勘に頼っていた不安定な工程を、数値化・システム化された「信頼できるプロセス」へと昇華させることです。

WAP型全自動脱水機を導入することで、人手不足への対応、産廃コストの大幅削減、そして何より「現場の安全性向上」を同時に実現できます。
適切なメンテナンスを行えば20〜30年は稼働し続けるこの精密な分離システムは、工場の競争力を長期にわたって支える重要な資産となるはずです。

もし、現在の脱水工程に少しでも「人の手がかかりすぎている」と感じているなら、一度そのプロセスを見直してみませんか。
私たち株式会社マキノは、1.5MPaの高圧技術と自動化のノウハウを持って、貴社の現場課題に共に立ち向きます。

FAQ|よくある質問

Q:全自動タイプ(WAP型)を導入した場合、投資回収にはどのくらいの期間がかかりますか?


現場の産廃コスト削減額によりますが、1〜3年で投資を回収できるケースが多くなっています。
含水率が5%低下することで年間数百万円の処理費が浮き、さらに人件費の削減効果を加算すると、短期間でのメリット創出が可能です。

Q:粘着性が非常に高い汚泥でも、本当に「無人」でケーキが剥離しますか?


はい、可能です。
マキノ独自のろ布振動(バイブレーション)装置と、スラリーの性質に合わせたろ布の選定を組み合わせることで、手作業による掻き落としを不要にします。
まずはラボテストでお預かりしたサンプル(概ね10L〜20L程度)を用いて、実際の剥離性能を検証いたします。

Q:全自動機の操作は難しいのでしょうか?専門の技術者が必要ですか?


いいえ、専門知識がなくても日常の操作は可能です。
一度スラリーに合わせた最適プログラムを設定すれば、基本的にはスタートボタンを押すだけの「ワンタッチ操作」で完結します。
トラブル発生時の検知機能も充実しているため、安心して運用いただけます。

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